INTERVIEW

電通沖縄で働く「人」

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Mさん
ビジネス・プロデュース本部
アカウントリード2部(自治体チーム)
部長
沖縄県出身/東京総合飲食会社にて
フードコーディネーターとして2年
→沖縄のリゾート会社にて企画広報担当として2年
→2007年電通沖縄入社

電通沖縄の大きな仕事のひとつに、沖縄県とともに取り組んだ沖縄グローバル観光ブランド「Be.Okinawa」があります。全世界に沖縄の本質的な魅力を伝え、観光客誘致に向けて取り組む「Be.Okinawa」というブランドは、最初、どのようにスタートしたのでしょうか。その立ち上げを行い、現在は自治体チームの部長であるMさんに、その経緯を伺います。

QUESTION.

Mさんは東京本社に出向されていたそうですね?

はい。2019年〜2021年の3年間、電通本社の官公庁を担当する部署に出向させて頂いておりました。 1年目はコロナ前で満員電車で通勤し、リアルな現場も体験させて頂きましたが、2年目からは コロナ禍に入り、変化が激しい状況での仕事も経験させて頂き大変有意義な3年間でした。 出向中は電通本社でしか経験できない大型プロジェクトを通して先輩方の仕事のスキルを学ぶ事に 必死であっという間でした。

QUESTION.

ここではMさんが手がけられた「Be.Okinawa」についてお伺いしたいのですが、まず、立ち上げの経緯を教えていただけますか?

「Be.Okinawa」という観光ブランディング事業を立ち上げたきっかけは、沖縄県との話し合いの中で、沖縄にとって観光を経済の一番の柱にするにはどうするかという課題からのスタートでした。最初にその相談をいただいた2013年頃は、香港も週2便、台湾は1日1便、中国も直行便もない時代で、まずは航空会社を誘致するためのアクションを起こすことを県と一緒にはじめたのです。そのためには、魅力的なビジュアルや映像、キャッチフレーズなどを使って「沖縄ってこんなに素晴らしいんですよ」と伝えるためのブランドが必要で、それが「Be.Okinawa」ブランディング事業のはじまりとなりました。

QUESTION.

観光ブランディング事業をスタートさせるにあたって、
まず取り組んだことは何だったのですか?

観光地のブランディングは、電通の日本国内の事例を探してもやったことのない事例で、まずはどういった世界のディスティネーションがブランディングされているかをマーケティングしていきました。世界15カ国、17地域で、「世界に求められている沖縄とは何か」という外のニーズを調べたんです。その後に、内のニーズ、「県民が出したい沖縄とは何か」を調べました。その上で、外から求められている沖縄と県民が出したい沖縄の交点のポイントをブランド化していくことにしました。

QUESTION.

その上で、外のニーズと内のニーズが重なった部分というのは
何だったのでしょうか?

「美しい海とあたたかい人たちに囲まれて本当の自分を取り戻せる島」ですね。これがブランドのキャッチフレーズになり、そこに合わせて、ビジュアルやブランドストーリーをつくっていきました。
沖縄県民の多くが、「沖縄に来たら心も身体も元気になって帰ってもらいたい」とおっしゃっていたし、だけど、海外からの認知度はない、ということもあり、最初から内のニーズに基づき、自分たちが売りたい沖縄を発信できたのは大きかったです。
とはいえ、最初はB to Bとか、世界に向けての発信をするために立ち上げた事業だったので、ブランドをつくる上で、電通がつくったブランドとはしたくなかったんです。それで、世界的に有名なイギリスのグラフィック集団「TOMATO」を起用しました。海外のクリエーティブエージェンシーをつかまえることができたのも、そういうネットワークを持っている電通というバックグラウンドがあったからこそだと思います。
それをもって、県と一緒に航空会社にプロモーションを行いました。地道なセールスでしたが、「こういう映像をつくっています」とか「沖縄はこういうブランドつくって世界に打ち出していきます」ということを丁寧に伝えていった結果、そこから航空会社が動きはじめ、実際、人が動きはじめてきたんです。

QUESTION.

その次のアクションは何だったのですか?

次は、B to Cのコミュニケーションに変わっていって、消費者のマーケティングを行いました。そうすると、フランス人は食だね、とか、オーストラリア人はアクティブだね、とか、ドイツ人はスポーツだね、とか、中国人は買い物だね、とか、いろんな訴求点がわかってきます。それをもとに、中国人にはリッチな沖縄をあてようとか、フランス人には食文化をあてて、沖縄は長寿の島でローフードの美味しいものが食べられるというコミュニケーションをしようとか、全世界に対してコミュニケーションの手法を変えていったんです。それが成功のポイントだったと思います。それもグローバルなリサーチと、メディアのバイイングができる電通だったからできたと思いますね。沖縄を拠点としたこの成功事例というのは、観光地ならではのことではありますが、いま振り返ると、先進的な取り組みだったと思えます。

QUESTION.

Mさんにとって電通沖縄の魅力とは何だとお考えですか?

まず、沖縄に電通がある意味を私は重要視しております。
せっかく電通が沖縄にあるのだから、「電通が沖縄にあって良かった」と沖縄県民の皆さま、世界中の皆さまに思って頂くような存在になることが重要だと思っております。
沖縄のポテンシャルは地理的優位性だけではなく、特有な文化や美しい自然など、数多くあります。
そのポテンシャルを活かして世の中の人々を幸せにできるかという視点で仕事ができるのは、電通沖縄の魅力だと思っております。
私は仕事をする上で、必ず3つのことを大切に考えております。
(1)この仕事は沖縄県(世の中)に貢献できるのか?
(2)この仕事を通して自分が成長できるか?
(3)この仕事を通して会社に貢献できるのか?
この3つを重要視して仕事ができる会社が電通沖縄だと思っております。
また、本社に出向して改めて認識したのですが、電通沖縄に限らず、電通という会社は「人」が魅力的だと思います。
魅力的な人々に囲まれて好きな仕事ができる最高な居場所だと思っております。

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